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化学において、規定度(きていど、normality) とは、溶液の濃度を表す単位の一つで、溶液 1L (1dm3 = 1,000cm3) 当たりの試薬の当量数(グラム当量)を表す。当量濃度(とうりょうのうど、equivalent concentration)、規定濃度(きていのうど)とも呼ばれ、容量分析などで用いられる。 溶液の規定度は、モル濃度を等価係数で割ることにより定義される。 : 現在ではほぼ使われなくなっており、mol/Lに統一されつつある。計量法では規定度ではなく、モル濃度(mol/dm3)を使用するように定義している。また、工場排水試験方法のJIS規格(JIS K 0102)では1993年の改正で廃止されている。なお、義務教育における学習指導要領でも扱われない。 == 使用法 == 溶液 1L 中に溶質1グラム当量を含む場合の濃度は1規定である。あるいは、略号を用いて 1N と書き表す。俗に''normal'' をドイツ語読みしてノルマルと呼ぶ場合があるが、''n''-ヘキサン(ノルマルヘキサン)などと混同するおそれもあることから推奨されない。当量濃度であるから必ずしもモル濃度とは一致しない。 規定度は3領域において溶液中の反応種の測定に用いられる。 * 酸塩基化学では、溶液中のプロトン(H+)または水酸化物イオン(OH-)の濃度を表す。ここで、は整数値である。溶解したときの各溶質は、反応性種の一つまたはそれ以上の当量を生成することができる。 * 酸化還元反応では、等価係数は酸化または還元剤が受容または供与することができる電子数を表す。ここで、は文数(非整数)値をとる。 * 沈殿反応では、等価係数は沈殿を生ずるイオンの数を表す。ここで、は整数値である。 容量分析において規定度を利用する場合は、試薬調製時に重量から算出した規定度をそのまま利用するのではなく、利用直前に逆滴定等を複数回実施して真の規定度を決定してから利用する必要がある。試薬調製時に決定した規定度と利用直前の真の規定度差異(数値比)はファクターと呼ばれ、容量分析の当量計算に補正値として導入する。また市販の定量分析試薬には規定度と併せてファクターも示されているのが通常である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「規定度」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Equivalent concentration 」があります。 スポンサード リンク
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